詳細レポート '24/05/03〜'24/05/05
4時、大村姉妹をピックアップし、東海北陸道から高山経由で平湯アカナンダ駐車場7:40着。さすがにGWとあって凄い車の数だが、幸運にもバス乗り場近くに空きを見つけ駐車。8:20発のシャトルバスで上高地へ。
2カ月振りの河童橋。景色も人も全く別世界だが、どちらも上高地の姿。写真だけ撮って人混みを避けるように梓街道を遡る。春を告げるニリンソウ。まだ3分咲きと聞いてきたが、小梨平〜徳沢と道の両側に白く咲き乱れて奇麗。ちょうどお腹がすいたので徳沢園で山菜焼飯・ピザと少し贅沢なランチをいただく。横尾まで左岸沿いのはずだが、なぜか道は仮設の橋を渡って右岸へと繋がっている。どうやら治水?工事のために河原の工事道を迂回しなければいけない様子。炎天下、夏は大変だろうな〜。
明神〜穂高の山容の移り変わりを楽しみながら横尾を過ぎると、やっと山に来た気分になる。槍見河原で槍ヶ岳と本日初顔合わせ。しかし紺碧の空に突き出た槍の穂先は真っ黒。途中も雪の上を歩くことは殆ど無く、予定通り槍沢ロッジに着いた。夕食は5時。時間はあるし天気も良いので、外のテーブルを陣取りコーヒーとワインでお疲れ様…
今日も快晴。朝食が5時なので少し余裕をもって出発する。雪の多い年はロッジからスキーを履いた年もあるが、今年はババ平からようやく雪上の人となった。ババ平の先も大きく谷の流れが現れ、長い斜滑降を強いられそう。
アリの行列の最後尾辺りを一歩一歩高度を上げていく。今日は肩の小屋泊り、慌てる必要はない。大曲を超えると真っ黒な槍の穂先が姿を現した。空は紺碧を通り越して、宇宙の近さを感じるほど黒い。「槍ヶ岳ブルー」って言葉あったっけ…(笑) グリーンバンドの手前、丸山の横辺りで大休止。雪は緩みノーアイゼンで肩まで行けそうだが、アイゼン組が所々ステップを崩してくれているし、最後はかなり急なのでここでアイゼンを装着する。
いよいよ最後の急登。稜線に近づくにつれ西風がブロックされ暑い… 一歩一呼吸で体を持ち上げていく。今まで3回スキーを担いで上がっているが、もうその体力は無いなぁ〜(悲)。正午過ぎやっと稜線に這い上がる。登り切った二人の顔には喜びと安堵の表情(サングラスとネックウォーマーで見えないが…笑)。
穂先は人の列が続いている。小屋前のテーブルでゆっくりとランチタイムを取り、空くのを待つ。穂先は全くと言っていいほど雪が付いていないので、アイゼン・ピッケルはデポし、ヘルメットとサブザックで出発。岩場には慣れていない二人だが、仕事柄、高所と梯子には慣れているので、軽い身のこなしでグイグイ登ってくる。30分かからず山頂着。午後積雲が湧いてきたが、雲底は高く360度の眺望を楽しむ。下りはシュリンゲを簡易ハーネスにして慎重を期す。案の定2か所鎖の無い凍結箇所があったので、ロープを出して安全確保。
午後6時半、薬師岳方面に沈む夕日に今日の充実した山行を感謝して、本日の行動を終了した。
4時起きで外のベンチへ。穂先には点々とヘッドランプの明かり。既に山頂にも人影が。4時40分過ぎ大天井辺りからオレンジ色の太陽が顔を覗かせた。常念の上には下弦の三日月。ちょっとした天体ショー。天気が良すぎて水蒸気が少なくモルゲンロートまではいかなかったが、夕日もご来光も見られて目的はほぼ達成!
小屋の朝食は6時と遅いので自炊としたが、出発は7時を回ってしまった。槍沢はすでに下山者の列。我々は飛騨乗越から槍沢を下る。上部は急でまだ雪が硬いので、アイゼン、ピッケル、ヘルメットで安全を期す。二人ともスリーオクロックで軽快に下って来る。やがて傾斜も落ち雪も緩んできたので、お楽しみのシリセード!今回は新兵器を持参。ビニルシートに紐を付けて紙オムツスタイルに(笑)。ちょっと恥ずかしいが滑りが良いしパンツも傷まない?凸凹であまりスピードが出ず、時間短縮にはならなかったが、楽しく滑り下る。
雪の沢底を槍平迄の予定であったが、あちこち沢が割れ始め渡渉の可能性が出てきたので、左岸を夏道辺りまで這い上がり、ルートファインディングしながら準備中の槍平小屋に出た。風もなく暑いので、木陰を探してランチタイム。ここから白出沢出合いまで支流からの雪崩を警戒して来たが、雪解けが進み6月の様相。ほぼほぼ土の夏道を辿り、砂防ダムですっかり景色の変わった白出沢出合いに到着。あとはひたすら苦行の林道歩き。足が棒になる頃ようやく新穂高ロープウェイ駅に辿り着いた。